11日からプライス・スキャンレンジが36万円から39万円に上がります。まぁ、3万円の上昇なのであまり大きな影響がないといえます。ところが、特殊なポジションを組んでいると逆に証拠金が下がるのをご存知でしょうか?
オプションの証拠金計算に使うSPANパラメータにはみなさんご存知のプライス・キャンレンジ、ボラティリティ・スキャンレンジに加え、
l 1ネット・デルタ当たりの商品内スプレッド割増額 (以下 「商品内スプレッド」)
l 売オプション1単位当たりの最低証拠金額(以下 「売最低証拠金」)
の2つが存在します。とはいえ、このパラメータが月曜日からどうなるかどの証券会社のサイトにも載っていません。まして、このパラメータが変更になると証拠金にどういう影響があるかの解説はどこにも見当たりません。
「商品内スプレッド」
カレンダー・スプレッドのように限月間でデルタが異なる場合、このパラメータの登場となります。たとえば、6月限月のデルタが -1.5 で 7月限月のデルタが +1.8 の場合、ネットのデルタは +0.3 でほぼニュートラルになります。しかし、限月が異なるので日経平均が大きく動くとこのデルタがニュートラルからずれてしまう可能性があります。このリスクに対応して証拠金を増やすのが「商品内スプレッド」の役目です。-1.5に対して+1.8その差は3.3になります。すなわち、デルタの差が3.3です。この差に対して、「商品内スプレッド」が課されます。6/11からの「商品内スプレッド」は、20,000円です。これによる割増額は、
66,000円 = 20,000 x 3.3
になります。